アトピー性皮膚炎は、「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。またアトピー素因とは、「(1)族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、あるいは複数の疾患)、または(2)IgE抗体を産生し易い素因」と説明されています。
症状はかゆみを伴う発疹で、皮膚が乾燥してざらざらすることが多いです。肘や膝の内側のくぼみ、顔、首などによく現れます。血液検査で、ほこり・カビ・ダニ・食物などに対するアレルギーがはっきりする場合もありますが、明らかな異常が認められない場合もあります。
皮膚を介したアレルギー反応を防ぐためのスキンケアが基本となりますが、症状に応じた適切な治療が必要です。
また、湿疹・皮膚炎のためバリア機能が破綻した皮膚に二次的に生じる、膿痂疹などの細菌感染症、疣贅(いぼ)やカポジ水痘様発疹症などのウイルス感染症、白癬や皮膚カンジダ症などの真菌症が重症化しないよう適切に対応することが重要です。